農産品を長期保存して期待外れに販売できれば、付加価値がつき収益が向上します。しかし、含水量が高く、細菌付着しやすい農産品の場合、腐敗率が高くなります。
この解決策として低温、低湿度での保存により、細菌の増殖を抑え、農産品表面からの腐敗を防ぐ方法がとられます。菌の増殖に必要な栄養分と、水分の供給を断つことで保存性を上げるのです。

このことで保存性は向上しますが、コントロールを誤ると、農産品からの水分放出が多くなり、商品価値を下げることにつながる場合もあります。
また、庫内空気の循環により、発生した菌がばらまかれることもあり得ます。
農産品により違いはありますが、この低温度での保存でも解消されないのが農産品自体の熟成により放出されるエチレンガスです。発生したエチレンガスにより他の農産品も影響を受け連鎖的に熟成が進み、腐敗する可能性もあります。

これらのことから、保存中であっても腐敗したものを取り除くなどの商品管理が必要となってきますが、外部からの入室が新たな腐敗を呼び込む原因ともなるので難しい一面を持ち合わせています。

そこで!
イオンテクノファンを設置することにより、送風する空気をイオン化できます。

送風機にα線放射体を組み込むことで、空気中に含まれる水を水素イオンと水酸基イオンに分けます。この電離されたイオン対が農産品表面の細菌を死滅させ、空気中の浮遊菌については送風機を通過する際にα線により死滅させます。

α線による電離は水だけではないので、庫内空気の構成元素すべてに言えます。
農産物が放出するエチレンガスも送風機を通過する際に電離され、C2とH2となることで、エチレンとしての効果を失わせます。
このことにより庫内空気のエチレン濃度を下げることができ、長期保存が可能になります。
湿度に関しては、通常より多湿であっても空気中の水分を電離することで殺菌作用を促すことができるので、過度の乾燥も防げる様になります。
商品管理の面からみても、廃棄するべき商品や手間をへらせることにつながるので、管理コストが下げられます。
α線放射に対する外部エネルギーの供給は必要ないので追加で発生するコストは設備費のみになります。放射体が汚れてしまった場合のみ戦場の必要が出てきますが、年に1回程度です。(使用状況で異なります)

長期システムの応用
熟成度合いの異なる農産品の多種同時保存

設置実験施設
農事組合法人 世羅幸水農園様
梨の防カビ、腐敗ガスの分解を目的としてイオンテクノファンを氷蔵庫に平成22年9月1日~平成23年5月1日まで2基設置

結果を経て設置施設様からのコメント

氷蔵中はイオンテクノファンを設置したことにより、カビの臭気や氷蔵庫独特の臭いも消え、梨本来のよい香りが漂い爽やかな室内になりました。
以前からカビ防止を目的にオゾン発生装置・カビ防止ネット等、様々な対応をしてみましたがよい結果を得ることができませんでした。
今回の実験結果では、カビの発生も少なくなり周囲に腐敗も移りにくい結果を得ることができましたので、平成23年9月より全ての氷蔵庫(7庫)にイオンテクノファンを設置することにしました。